👻 お化けシリーズ 第4話

『消えたランドセルの秘密』

東北地方の山間にある小学校。
児童の数は少なく、校舎もだいぶ古びていたけれど、そこには毎朝、子どもたちの元気な声が響いていた。

その学校で、ある日ちょっとした事件が起こった。
1年生の男の子のランドセルが、休み時間の間に忽然と消えてしまったのだ。

教室にも廊下にも、職員室にもない。
子どもたちも先生も総出で探したが、見つからなかった。
だが、男の子は泣きもせず、こう言ったのだ。

「大丈夫。あの子が持ってっただけだから」

「……あの子って、誰？」
先生がたずねると、男の子はぽつりと答えた。

「校庭の桜の木のところにいる子。
　ときどき、誰かのランドセルを背負って、どこかへ行くんだよ。でも大丈夫だよ。すぐ戻してくれるって」

その言葉を聞いて、古くからいる先生がふと昔話を始めた。
「実はね……20年以上前に、この学校でランドセルをなくした子がいたの。
　その子は家の事情で転校が決まっていて、最後の日、桜の木の下に置いたランドセルが見つからなかった」

「だけど、転校前にその子も言ったんだ。
　“あの子が持って行ったんだ。だから、すぐ戻してくれるって”

先生の話に、教室の空気がふっと静まり返った。

夕方。
男の子がひとりで桜の木の前に立っていた。
そして、しばらくして戻ってきた。

「ランドセル、返してくれたよ」
そう言って、彼は笑った。

その背中には、確かにあの、消えていたランドセルがあった。
でも、タグについていた名前が、少し違っていた。
男の子の名前ではなく、20年前の子の名前だったのだ。

先生はそっとそのタグを外し、元の名前に縫い直してあげた。

それ以来、その学校では春になると、
ランドセルを背負った見知らぬ小さな子の背中を、桜の木の下で見かけるという噂が流れている。

けれどその子は、決して誰かを困らせたりしない。
ただ、「さよなら」が言えなかった子の想いを、ランドセルに託して、そっと運んでいるだけ──CHATGPT作成

👻 お化けシリーズ 第2話

『ひと夏だけ現れる屋台の少女』

田舎の町に流れる、のんびりとした田舎の空気。
蝉の声が響き、夕暮れの風に浴衣の袖が揺れる。

その夏、ぼくは祖父母の家がある小さな町へ一人で帰省していた。
川のそばにある神社では、毎年8月13日から15日まで、ほんの短い間だけ夏祭りが開かれる。
人の少ない町にしては、妙ににぎわうその祭りが、子どもの頃からぼくは大好きだった。

初日の夜。
ぼくはひとりで神社の坂道を登りながら、屋台の明かりを見て心を弾ませていた。
金魚すくい、射的、りんご飴──どれも昔と変わらない。
昔と同じ場所に、同じように屋台が並んでいる。

だが、その中にひとつだけ、見慣れない屋台があった。
提灯に「氷菓 夕月」と書かれている、かき氷屋だった。
屋台の奥には、白い浴衣を着た少女がひとり、静かに座っていた。

「いらっしゃいませ」
彼女はそう言って、優しく微笑んだ。
その微笑みが、どこか懐かしく、心の奥をくすぐるような気がした。

「おすすめは？」と尋ねると、彼女は少し考えて、
「今日は“星あかり”がお勧めです」と答えた。
その透明に近い淡い青色の氷は、口に入れるとふわりと消えて、どこか切ない味がした。

翌日も、ぼくはその屋台を探しに行った。
しかし、不思議なことに「氷菓 夕月」の屋台はどこにもなかった。
すべての屋台を見て回っても、白い浴衣の少女の姿は見当たらなかった。

三日目、最終日。
あきらめきれずに坂道を登ると──
夕暮れの境内のはずれ、木陰の奥に、あの屋台はぽつんと現れた。

「待っていてくれたの？」
思わずそう聞いたぼくに、少女は少し微笑んでうなづいた。

彼女が手渡してくれたかき氷には、黄色の小さな花が乗っていて、ひんやりと甘かった。

「また、明日も……？」
そう聞くと、彼女は首を傾げて言った。

「この屋台は、お盆の間だけ現れるの。
　覚えていてくれたら……きっと、また会えると思う」

そう言って微笑んだその顔は、少しさみしそうだった。
ぼくは声も出せず、ただじっと彼女を見つめていた。

祭りが終わると、屋台は夢のように消えていた。
誰に聞いても「そんな店はなかった」と言われた。

けれど、ぼくの部屋の机の上には、
黄色の小さな花が一輪だけ、そっと残されていた。CHATGPT作

👻 お化けシリーズ 第3話

『ぬいぐるみと入れ替わった子』CHATGPT

それは、ある夏の夜のことだった。
引っ越してきたばかりの古い家で、ぼくは寝つけずにいた。
まだ慣れない部屋の空気、古い木の床がきしむ音、風に揺れる障子。

枕元には、小さい頃からずっと一緒だったくまのぬいぐるみがあった。
名前は「ミーコ」。
毛はすり切れ、片方の耳はちょっと曲がっているけれど、いつもぼくのそばにいた。

その夜も、ミーコを胸に抱いて目を閉じた──
安心してぐっすり眠れる……そのはずだった。

次に目を開けた時、ぼくは「床の上」に座っていた。
なぜか視線が低い。手が動かない。いや、手が“短い”……？

見上げると、そこに「ぼく」がいた。
いや、「ぼくの体」がベッドの上で眠っているのだ。
そして、ぼくは……くまのぬいぐるみ・ミーコの中にいた。

声は出せない。でも心だけは叫んでいた。
（なんで!?　ぼくが、ミーコの中にいるんだ!?）

その時、部屋の隅から誰かの声が聞こえた。

「ねえ、君も入れ替わったんだね」

見ると、窓辺に白い猫のぬいぐるみが座っていた。
声はそこから響いていた。

「ぼくはユウ。5年前、この家にいた男の子だった。ある日、ぬいぐるみと入れ替わって、そのまま……誰にも気づかれなかった」

その言葉に背筋が凍った。
（このまま、戻れなかったら……）

ユウは静かに続けた。
「でも君は大丈夫だよ。ぬいぐるみと心がつながってるうちは、元に戻れるんだ。心を通わせていれば、ね」

ぼくは、必死でミーコの体からベッドの上の自分を見つめた。
「一緒にいたい」「戻りたい」──その想いだけを、強く強く抱いて。

その瞬間、光がふっと差し込み、
気がつくと、ぼくは元の自分の体で、ベッドの上に戻っていた。

手の中には、あのくまのぬいぐるみのミーコがいた。
そして、その胸元には見たことのない白い猫のボタンがひとつ、縫いつけられていた。

その夜から、ミーコは何も話さなくなったけれど、
夜になると、時々ふわっとあたたかくなるような気がする。

たぶん、誰かがまだ、ぬいぐるみの中で静かに眠っているんだと思う。CHATGPT作成