👻 お化けシリーズ 第11話
『雨駅(あまえき)』
それは、梅雨のさなかのことだった。
高校生のユウは、部活の帰りにいつもと違うルートを歩いていた。
傘をさして歩くうちに、道を1本間違え、小さな丘のトンネルの先へと迷い込んだ。
そこには、地図にも載っていない古い小さな駅があった。
錆びた看板には「雨駅(あまえき)」と書かれていた。
小雨がしとしとと降る中、駅舎には誰もおらず、時計は止まっていた。
でも、ホームには制服姿の少女がひとり、静かに立っていた。
「僕、この駅初めてなんだけど、こんなところに駅があったなんて驚きだよ。」
ユウが話しかけると、彼女はやさしく微笑んでこう言った。
「ここはね、雨の日にだけ来られる駅なの。晴れの日には、どこにもないんだよ」
ユウは笑って「嘘でしょ」と返したが、彼女の目はまっすぐだった。
「……私は、ここから先に行かなかったの。ずっと、待ってるの」
「誰を?」と聞くと、彼女は答えた。
「ここで、あの人を待っているの・・・いつまでも。」
その言葉の意味を考える間もなく、ユウのスマホが鳴った。
顔を上げると、少女の姿はもうなかった。
雨がやんで空が明るくなり、駅舎も看板も、すべてが消えていた。
そこには、ただ草むらと、濡れた足跡だけが残っていた。
──翌週、また雨の日にユウは同じ道を通った。
けれど、駅は見つからなかった。
それ以来ユウは、雨が降るたび、少し遠回りしてでもあの場所を通る。手に花を一輪持って。
想い人をいつまでも待っている誰かが、またそこに立っているかもしれないから。CHATGPT作成

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